SORACOM IoT レシピ:IoTで作る、紛失防止タグ
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ビーコン対応GPSトラッカーGWとBLEビーコンデバイスを使った「紛失防止タグと管理システム」
公開日: 2021年8月
レシピ難易度:★☆☆☆☆
物品の持ち出し・持ち込みの管理や記録の仕方は様々です。物品持ち出し管理をするにあたって人間が何らかの操作をするという方法を取ることもできますが、IoTによって自動で管理できるともっと便利になると思いませんか。
このレシピでは、センサーからのデータを BLE (Bluetooth Low Energy) 通信で集約しゲートウェイデバイスからアップロードする IoT システムのサンプルとして、「物品持ち出し管理システム」を作ります。利用するデバイスは、BLE ゲートウェイ機能をもち LTE-M 通信による低消費電力で安定したセルラー通信ができる「ビーコン対応 GPS トラッカー GW」です。物品側に取り付ける機器としてはBLE ビーコン「MM-BLEBC7」(サンワサプライ社) の他、小型で鍵などにも取り付け可能な「FSC-BP103」(Feasycom社)を利用します。
システムの構成
今回作成するシステム構成は、以下の通りです。

使用する SORACOM サービス
- データ通信サービス SORACOM Air
- データ収集・蓄積サービス SORACOM Harvest Data
- ダッシュボード作成・共有サービス SORACOM Lagoon
本レシピに連動した動画を公開しています
本レシピを行うのに必要な時間、概算費用
本レシピは以下の通りです。
- 必要な時間: 約90分
- 概算費用: 約24,000 円(操作用のパソコン本体を除く)
※ 概算費用: ハードウェアや SORACOM を始めとした各種サービスの概ねの費用 (送料などの付帯費用や無料枠適用は考慮しないものとしています)
このコンテンツの進め方
上から内容を読み進みながら作業を行なっていきます。また左サイドに追従する目次からページ内の移動が可能です。
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株式会社ソラコムが提供する機器・サービスについてのご質問はフォームで受け付けております。機器・サービスご利用前の導入相談は https://soracom.jp/contact/ に、機器・サービスご利用開始後のサポートは、SORACOMユーザーコンソール内のサポートサイトから「リクエストを送信」(要ログイン)にてお問い合わせください。
Copyright (c) 2023 SORACOM, INC.
準備
本レシピを行うためには以下のものをご用意ください。
ハードウェア
| 品名 | 数量 | 価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ビーコン対応GPSトラッカーGWスターターキット | 1 | 21,780円 | キットの中には以下のものが含まれています。 ・ビーコン対応GPSトラッカーGW x 1台 ・SORACOM Air SIMカード plan-D サイズ:ナノ x 1枚 |
| BLEビーコン(Feasycom製) | 1 | 約1,900円 | 今回はFeasycom製のもので動作確認を行いましたが、iBeacon対応機器であれば動作する可能性が高いです。 |
| Windows OS を搭載したパソコン | 1 | ― | ビーコン対応 GPS トラッカー GW への設定および SORACOM ユーザコンソールの操作に用います。 macOSやLinux OSには対応していません。 当レシピでは Windows 10 Pro で検証しました。インターネット接続が可能でサイトへの接続が自由であること、Google Chrome 等の最新ブラウザーが利用可能な事が必要です。 |
| USBケーブル (Type-A ↔ Type-C) | 1 | 約500円 | ビーコン対応GPSトラッカーGWとパソコンを接続するためです。パソコンのUSBポートが Type-C のみの場合は、Type-C ↔ Type-C ケーブルをご用意ください。 |
| iOS もしくは Android OS が動作するスマートフォン | 1 | ― | BLEビーコンのUUID(ユニークID)を確認するために使用します。 |
※ 金額はレシピ作成時となります。表示金額は税込み・送料別です。
ご購入について
ハードウェアは以下よりご購入いただけます。
その他必要なもの
| 必要なもの | 費用 | 作成方法など |
| SORACOM アカウント | 無料※ | SORACOM アカウントの作成 (JP) |
※ アカウント作成・維持の費用の料金です。
ビーコン対応 GPS トラッカー GW が届いたら
ビーコン対応 GPS トラッカー GW は SIM を挿入することでセルラー通信 (LTE-M) を通じて、クラウドと連携できるようになります。そのため、まず ビーコン対応 GPS トラッカー GW に同梱されている SIM を SORACOM へ登録をしましょう。
※ すでに登録済み、もしくは登録済みの別の SIM を利用する場合は次へお進みください。
登録の方法は発注済みの SIM を登録する(JP)をご覧ください。約5分で完了します。
登録が完了すると SIM 管理の一覧に表示されますので、確認ください。

SIM をビーコン対応 GPS トラッカー GW に取り付ける
SORACOM 特定地域向け IoT SIM (以下 SIM) をカードから切り離し、ビーコン対応 GPS トラッカー GW の側面に挿入します。
デバイスを機内モードに遷移する
SIM カードの抜差しは機内モードにて実施します。LED ランプ横のボタンを 4 秒以上押すと、LED ランプが緑から赤に変化します。赤 LED ランプが 3 秒点灯後、橙LEDランプが 1 秒点灯し、消灯します。消灯後ボタンを離せば、機内モードへ遷移します。ボタンは付属の SIM ピンなどを用いて押してください。
SIM カバーを取り外す
SIM カバー右上にある凹みに SIM ピンを引っ掛けて SIM カバーを取り外します。取り外した SIM カバーの紛失にはお気を付けください。

SIM トレイを取り外す
ツメに指をかけトレイをまっすぐに引き出します。トレイが引き出しにくい場合は、トレイのツメ部分に SIM ピンやご自身の爪などをひっかけて引き出してください。取り出したSIMトレイはこの後利用します。紛失にはお気を付けください。

SIM を取り付ける
画像のように、前後・上下の向きに注意して SIM を取り付けます。その後、奥まで差し込み SIM カバーを取り付けます。

SORACOM との接続を確認する
LED ランプ横のボタンを 1 秒以上押すと LED が緑色点灯して通常モードに遷移し、通信を開始します。SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面より取り付けた SIM が「オンライン」となっていることを確認してください。

LED が点灯しない場合は電池残量が無いことが考えられます。USB Type-C ケーブルで充電してください。
SORACOM Orbit の準備
SORACOM Orbit とは、デバイスから送信されたデータを SORACOM プラットフォーム内で加工するサービスです。ビーコン対応 GPS トラッカー GW から送信されたデータを、後続のステップで扱いやすいよう加工するのに利用します。
プログラムのダウンロード
こちらのリンクより最新版の .wasm ファイルをダウンロードして下さい。プログラムの詳細は GitHub リポジトリに記載されています。

Soraletの作成/WASMモジュールのアップロード
SORACOM Orbit で使用する WASM モジュールをアップロードするために、その入れ物である Soralet (ソラレット) を作成します。本レシピでは SORACOM ユーザーコンソールから Soralet を作成します。
[Menu]>[SORACOM Orbit]>[Soralet 管理]とクリックして Soralet 管理画面を開きます。

次に[新規作成]ボタンを押し、Soraletの作成ダイアログを開きます。

Soralet IDに beacon-gw-soralet と入力し、[作成]をクリックします。

Soralet 管理画面に作成した Soralet が表示されていることを確認し、作成した Soralet をクリックし、WASM の管理画面を開きます。

WASMの管理画面にて[新しいWASMをアップロード]をクリックし、アップロード用のダイアログを開きます。

ダイアログから先ほどダウンロードした WASM ファイル(soralet-beacon-gps-tracker.wasm) を選択し、アップロードをクリックします。

アップロードが完了すると WASM 管理画面にアップロードした WASM の SRN が表示されます。

SORACOM のグループ設定
ビーコン GW から送信されたデータをフォーマットし格納するため、SORACOM のグループを設定します。
グループの設定
まずはビーコン GW の SIM をグループへ所属させます。ユーザーコンソールの SIM 管理画面より対象の SIM を選択し [操作] > [所属グループ変更] を選択します。

設定したいグループを新規に作成するか、既存のグループを選択し[グループ変更] をクリックします。

グループを変更出来たら、グループ名をクリックして設定します。

バイナリパーサーの設定
ビーコン GW からはデータ通信量削減および省電力のため、バイナリ形式でデータが送信されます。読みやすい JSON フォーマットに変換するため、バイナリパーサーを設定します。[基本設定] > [SORACOM Air for Cellular 設定] を展開し、バイナリーパーサーを設定してください。
バイナリーパーサーを ON にし、以下のフォーマットをコピー・ペーストし、[保存] をクリックします。
type::int:8 bat::uint:8 uuid::char:32 major::char:4 minor::char:4 rssi_b::char:2 attr::int:8 timestamp::char:12

SORACOM Harvest Data の有効化
データを格納するため、SORACOM Harvest Data を有効化します。[基本設定] > [SORACOM Harvest Data 設定] を展開し、サービスを ON にし、[保存] をクリックします。

SORACOM Orbit の設定
設定を ON にし、CODE SRN 右側の
アイコンをクリックします。

SORALET に beacon-gw-soralet、SORALET VERSION に LATEST を指定します。

DIRECTION の uplink にチェックを入れ、[保存] をクリックします。

ビーコン対応 GPS トラッカー GW のドライバ・キッティングツールをセットアップ
ドライバのセットアップ
以下 URL のメーカー Web サイトよりダウンロードします。
「ビーコン対応GPSトラッカーGW」の「USBドライバ ダウンロード」から、お使いのOSバージョンに合わせたファイルをダウンロードしてください。
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/iot/development/download/
ビーコン対応GPSトラッカーGWの設定は、Windowsのみで行うことが可能です。
ダウンロード後、exe ファイルを実行してドライバーをインストールします。
ドライバのインストール時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。
キッティングツールのセットアップ
キッティングツールは PC よりビーコン GW を設定するためのツールです。ダウンロードページよりダウンロードします。
ダウンロード後、exe ファイルを実行してキッティングツールを起動します。
キッティングツールの実行時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。
なお、2回目以降で表示されることはありません。
セットアップの確認
ドライバのインストールとキッティングツールの起動が完了した状態で USB にてビーコン GW を PC に接続し、キッティングツールの「端末へダウンロード」ボタンをクリックします。

「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、この時点では “いいえ” を押してください。
「ポート」にて COMXX が確認できればセットアップが正常に完了しています。

このダイアログでは “キャンセル” を押してください。
共通項目
今回はiBeaconセンサーの情報を3分ごとに送信する設定とします。
共通項目タブを開き、以下のように設定します。設定項目の詳細はユーザードキュメントのリファレンスを参照してください。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Step1 利用モード | ゲートウェイモード (時間指定) |
| 利用時間 1 | 0 時 0 分 ~ 23 時 59 分 |
| Step2 クラウドへの送信項目 | ビーコン情報を送信する |
| Step3 ビーコン情報のクラウドへの送信条件 | 一定時間で1回のみ (時間: 180 秒) |

ビーコン項目
今回は1台のiBeaconセンサーを設定します。
ビーコン項目タブを開き、No.1 の行にて右クリック > [編集] を選択します。![]()
iBeaconセンサーのUUID取得
Feasycom社製のビーコンを使用する場合、はじめにスマホアプリででビーコンのUUIDを取得する必要があります。
インストール
FeasyBeaconの電源を入れ、インストールしたアプリを起動します。
Settingのタブを開くと、このようにBeaconが認識されているはずです。
⚠Settingタブを開いても
該当のものをタップするとPINコードの入力が求められます(デフォルトは000000)。
iBeacon中の
- UUID
- Major
- Minor
の値を確認し、記録しておきます。
先ほど記録した値をGPSトラッカーキッティングツールに入力します。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 機種 | ビーコン(iBeaconフォーマット) |
| 値(UUID) | 先ほど確認したUUID |
| 値(Major) | 先ほど確認したMajor(16進数) |
| 値(Minor) | 先ほど確認したMinor(16進数) |
| ビットマスク(UUID) | デフォルト(FFF…) |
| ビットマスク(Major) | 0000 |
| ビットマスク(Minor) | デフォルト(FFFF) |
MajorとMinorの値は16進数で入力する必要があります。
スマホアプリで確認した値は10進数なので、Windows標準搭載の電卓(プログラマーモード)や相互変換ツールなどで16進数に変換してから入力してください。
最終的には次のような状態になります。
iBeaconデバイスを2台以上設定する場合は、同様の手順で設定してください。
データの送信開始
キッティングツールの「端末へダウンロード」より、設定情報をビーコン GW へダウンロードします。ビーコン GW の再起動後、データが 180 秒間隔で送信されます。
「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、任意です。保存しておくことで再利用が可能となりますので、保存をお勧めいたします。

データの確認
SORACOM ユーザーコンソールの SIM 一覧画面よりビーコン GW の SIM を選択し [操作] > [データを確認] を選択します。

3分に1回、データが送信されていることを確認します。
データはビーコン毎に送信されます。そのため、3台稼働している場合は3件のデータとして送信されてきます。
設置する
SORACOM Harvest Dataの動作確認ができたらBLEセンサーとビーコン対応GPSトラッカーGWを設置しましょう。
ビーコン対応GPSトラッカーGW
ビーコン対応GPSトラッカーGWはバッテリーもしくはUSBポートを持つACアダプタを電源にできます。物品を保管しており、LTE-Mの通信が可能な場所に設置してください。
BLEセンサー
BLEセンサーを鍵やバッグなどの持ち出し物品に取り付けます。
設置した後は再度SORACOM Harvest Dataにてデータが収集できているか確認してください。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (有効化まで)
SORACOM Harvest Data に蓄積されたデータを SORACOM Lagoon で活用していきます。
SORACOM Lagoon 用語解説
ここで SORACOM Lagoon で使われる用語を解説します。
| 用語 | 意味 |
| プラン | SORACOM Lagoon の契約プランです。プランによって機能と料金が異なり、今回は無料の Free プランを利用します。SORACOM Lagoon のご利用料金に機能や料金の比較表があります。 |
| SORACOM Lagoon ユーザー(Lagoon ユーザー) | SORACOM Lagoon へログインするためのユーザー( ID とパスワードの組)です。 SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるユーザ一覧となり、皆さん自身で登録・削除が可能です。ダッシュボードやパネルを編集できる「編集可能」と表示専用の「読み取り」の2段階の権限を設定できます。作成可能数はプランによります。 |
| リソースの種類 | 表示するデータの種別です。SORACOM Lagoon では以下の4つの中から選び、その中からノード(SIMや回線)を選択します。 ・Air = SORACOM Air for セルラー (SORACOM IoT SIM) ・Lora = SORACOM Air for LoRaWAN デバイス ・Sigfox = SORACOM Air for Sigfox デバイス ・Device = SORACOM Inventory デバイス 今回はSIMなので、「Air」の SIM を選択します。 |
| パネル (Panel) | パネルはデータを表示する領域です。データソースとメトリクスを指定すると、そのメトリクス(たとえば SIM )のデータをパネルで使えるようになります。様々なパネルが存在します。 |
| ダッシュボード (Dashboard) | 複数のパネルを束ねて「1枚の画面」にしたものがダッシュボードです。共有の画面表示単位となります。 |
| アラート (Alert) | リソースのメトリクスデータに対して条件を設定し、その条件を満たしたら通知を行う仕組みの事です。 |
| データリフレッシュ | SORACOM Harvest から SORACOM Lagoon へデータが反映される事、もしくは反映タイミングとなります。反映タイミングはプランによります。 |
SORACOM ユーザーコンソールの[Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]とクリックします。

[SORACOM Lagoon の利用を開始する]をクリックします。

プランのうち Free の[選択する]ボタンクリックし、[次へ]をクリックします。

SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザーに設定するパスワードを入力した後、[利用開始]をクリックします。

SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザの ID は?
ID は SORACOM ユーザコンソールにログインしたときのメールアドレスが使われることになります。そのため、ここではパスワードのみ設定することになります。SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるパスワードを設定する事を強くお勧めします。
利用開始がクリックできない場合は?
パスワードの条件が不足しています。全てに✔がつくようにパスワードを設定してください。
SORACOM Lagoon の有効化に成功すると、以下のように SORACOM Lagoon コンソールへのリンクが表示されます。この画面を SORACOM Lagoon 管理画面と呼びます。

Lagoon 3 で SORACOM のデータを取り扱うために、Lagoon 3 の利用を開始すると、オペレーターごとに Lagoon 3 専用の SAM ユーザーが作成されます。ただし、標準では、この SAM ユーザーには「Harvest Files にファイルをアップロードする権限」が付与されていません。そのため、Soracom X/Y Image で Harvest Files に画像をアップロードできません。
本レシピでは必要ありませんが、Harvest Files に画像をアップロードする機能を利用するには、ユーザーコンソールのSORACOM Lagoon画面で、[アクセスを許可] をクリックして、必要な権限を付与してください。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (SORACOM Lagoon へのログインまで)
SORACOM Lagoon 管理画面を表示したあと、[SORACOM Lagoon3 コンソール]ボタンをクリックします。

SORACOM Lagoon 管理画面は [Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]で表示する事ができます。
SORACOM Lagoon へログインします。
メールアドレス (SORACOM ユーザコンソールへログインする際のメールアドレス) と、SORACOM Lagoon 初期ユーザ作成時に利用したパスワードでログインします。

ログインに成功すると、以下のような画面が表示されます。これが SORACOM Lagoon ログイン直後の画面です。ここから「ダッシュボード」や「パネル」を作成していきます。

背景を白くしたい
SORACOM Lagoon の標準では背景が黒となっています。これは設定で変更が可能です。左下のアイコンにカーソルを合わせて表示される[Preferences]をクリックします。
設定画面に “UI Theme” を “Light” に変更して[Save]ボタンをクリックすると、背景が白くなります。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (アラートの作成まで)
通知先を設定します。
アラートアイコンにカーソルを乗せると表示される「Alert」メニューから[Notification channels]をクリックします。
[New channel]をクリックします。
「Alerting」では以下の通りに入力します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| Name | 任意の名称で構いません。 | |
| Type | ― | |
| Addresses | 通知の送付先メールアドレス | ; で複数指定が可能です。 |
入力し終わったら[Save]をクリックします。
[Test]について
保存の前に[Test]にてテストが行えます。テストを行うと以下のようなメールが届きますので、確認にご利用ください。
また、メールが届かない場合の確認ポイントは以下の通りです。
– メールアドレスが正しいこと
– no-reply@soracom.jp からのメールが迷惑メールに判定されてないこと、もしくは受信フィルタで拒否されていないこと
以下のように表示されていれば成功です。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (ダッシュボードのインポートまで)
あらかじめ設定が済んでいるテンプレートを使ってダッシュボードを作成します。
ダッシュボードアイコン
にカーソルを乗せると表示される「Dashboards」メニューから[Manage]をクリックします。
[Import]をクリックします
[Import via panel json]のテキストボックスへ、以下のテキストを入力(貼り付け)します。
{
"annotations": {
"list": [
{
"builtIn": 1,
"datasource": "-- Grafana --",
"enable": true,
"hide": true,
"iconColor": "rgba(0, 211, 255, 1)",
"name": "Annotations & Alerts",
"type": "dashboard"
}
]
},
"editable": true,
"gnetId": null,
"graphTooltip": 0,
"id": 16,
"links": [],
"panels": [
{
"alert": {
"alertRuleTags": {},
"conditions": [
{
"evaluator": {
"params": [],
"type": "no_value"
},
"operator": {
"type": "and"
},
"query": {
"params": [
"FeasyBeacon",
"3m",
"now"
]
},
"reducer": {
"params": [],
"type": "last"
},
"type": "query"
}
],
"executionErrorState": "keep_state",
"for": "3m",
"frequency": "1m",
"handler": 1,
"message": "物品が持ち出されました",
"name": "物品持ち出し",
"noDataState": "alerting",
"notifications": []
},
"aliasColors": {},
"bars": false,
"dashLength": 10,
"dashes": false,
"datasource": null,
"fieldConfig": {
"defaults": {},
"overrides": []
},
"fill": 1,
"fillGradient": 0,
"gridPos": {
"h": 8,
"w": 12,
"x": 0,
"y": 0
},
"hiddenSeries": false,
"id": 2,
"legend": {
"avg": false,
"current": false,
"max": false,
"min": false,
"show": true,
"total": false,
"values": false
},
"lines": true,
"linewidth": 1,
"nullPointMode": "null",
"options": {
"alertThreshold": true
},
"percentage": false,
"pluginVersion": "7.5.6",
"pointradius": 2,
"points": false,
"renderer": "flot",
"seriesOverrides": [],
"spaceLength": 10,
"stack": false,
"steppedLine": false,
"targets": [
{
"datatype": "standard",
"devicetype": "subscribers",
"hide": false,
"properties": "rssi",
"refId": "FeasyBeacon",
"target": "XXXXXXXXXXXXXXX",
"type": "timeseries"
}
],
"thresholds": [],
"timeFrom": null,
"timeRegions": [],
"timeShift": null,
"title": "BLE beacon",
"tooltip": {
"shared": true,
"sort": 0,
"value_type": "individual"
},
"type": "graph",
"xaxis": {
"buckets": null,
"mode": "time",
"name": null,
"show": true,
"values": []
},
"yaxes": [
{
"format": "short",
"label": null,
"logBase": 1,
"max": null,
"min": null,
"show": true
},
{
"format": "short",
"label": null,
"logBase": 1,
"max": null,
"min": null,
"show": true
}
],
"yaxis": {
"align": false,
"alignLevel": null
}
}
],
"refresh": false,
"schemaVersion": 27,
"style": "dark",
"tags": [],
"templating": {
"list": []
},
"time": {
"from": "now-6h",
"to": "now"
},
"timepicker": {
"refresh_intervals": [
"30s",
"1m",
"5m",
"15m",
"30m",
"1h",
"2h",
"1d"
],
"time_options": [
"5m",
"15m",
"1h",
"6h",
"12h",
"24h",
"2d",
"7d",
"30d"
]
},
"timezone": "",
"title": "物品持ち出し管理",
"uid": "",
"version": 16
}貼り付けたら[Load]をクリックします。
Loadをクリックすると”Not valid JSON”と表示される
テキストが上手く入力できていない場合は以下のように表示されます。
貼り付けたテキストを見直すようにしてください。
Harvestでは「Harvest」を選択し、「import」をクリックします。

「Access denied to this dashboard」と表示されることがあります
[Folder] で「General」を選択して [Import] をクリックすると、「Access denied to this dashboard」と表示されますが、動作に影響はありません。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する(パネルの編集からダッシュボードの保存まで)
“BLE beacon” >[Edit]をクリックします。
“Query”タブで読み込むデータを設定します
“Query”タブが選択されている状態で、次のように設定します。
プルダウンに “beacon-gw” が無い?
左から2番目のプルダウンについては、参考画像上では “beacon-gw” と表示されていますが、これはSORACOM ユーザーコンソール上で SIM に名前を付けているからです。名前がついていない場合は SIM の IMSI (回線識別用の15桁の番号) が表示されます。
RSSIとは?
Received Signal Strength Indicator すなわち「受信信号強度」のことです。BLEビーコンGWとビーコンセンサーが遠ざかると値は小さくなります。
データが表示されていない?
データを蓄積し始めてから間もない場合、グラフの右端に「少しだけ」表示されている場合があります。これは、パネルの表示時間の標準が「過去6時間分」を表示するようになっているからです。
右上の「時間」ボタンで表示範囲を設定可能です。まずは「Last 15 minutes」くらいが良いでしょう。
それでもデータが表示されていない場合は、いったん SORACOM Harvest Data データの蓄積具合を確認するようにしてください。
“Alert” タブをクリックした後”Notifications”の部分までスクロールします。
[Send to]の
をクリックし、先ほど作成した通知先 (例に沿っているなら email)を選択します。
画面右上の[Apply]ボタンをクリックします。
画面右上の
をクリックすることでこれまでの作業を保存できます。
[Save]で保存します。
以上ですべての設定が終了です。
メールを確認してみる
BLEビーコンGWとFeasyBeaconを遠ざけると「Alerting」と書かれたメールがNotification Channelsで設定したメールアドレスに届きます。
隣の部屋に持ち込むくらいでは電波が届くので、家の外に持ち出すくらいがよいでしょう。または、FeasyBeaconの電源を切ることでも検証は可能です。
また、BLEビーコンGWとFeasyBeaconが互いに通信圏内に入ると「OK」のメールが届きます。
アラートがすぐに来ない?
BLEビーコンGWとFeasyBeaconを遠ざけてもすぐにアラートが来ないと思います。これは、GWが3分に1回だけデータを送信するよう設定しているからです。
この間隔を短くするには「キッティングツールの設定」において「Step3 ビーコン情報のクラウドへの送信条件 」の時間の秒数を変更します。ただし、間隔を短くするとその分、バッテリーの消費は多くなります。
また、アラートルールにfor 1mも設定しているため、実質アラート発火までに4分程度かかります。
これは、データが送信されるタイミングに少し差があることを考慮して、ミスアラートが出ないようにするためです。
以上ですべての設定が完了です。
あとかたづけと注意事項
本レシピでは費用がかかるサービスを利用しています。
本項をよく読み、必要な操作や解除作業を行うようにして、想定外の費用が掛からないようにしてください。
費用について
ここで記載している金額は全て税込み、送料別となります。
SORACOM プラットフォームの利用料金
| サービス/機能 | 料金 |
| SORACOM Air (plan-D) | 基本料: 11円/日通信料: 0.22円~/MB(今回の利用であれば 1MB 以内で収まる範囲) |
| SORACOM Harvest Data | 本機能を有効にしたグループに所属する1SIMあたり5.5円/日 (2000リクエスト/日/SIMを含む)2000リクエスト/日を超えた分は0.0044円/リクエスト |
| SORACOM Lagoon | 今回は Free プラン(無料)を使用しました。 |
| SORACOM Orbit | 本機能を利用したSIMあたり22円/日、10,000 リクエストあたり 44円 |
無料利用枠について
SORACOM サービスでは一部サービスにおいて無料枠が設定されています。たとえば SORACOM Air for セルラーであればアカウント毎で30円/月の通信分や、SORACOM Harvest Data であれば31日分の書込みリクエスト、SORACOM Orbit であれば 1SIM 分の無料利用枠、10,000 リクエスト分のリクエスト無料利用枠などです。料金詳細に「無料利用枠」として掲載されていますので、ご確認ください。
グループ解除
SORACOM Harvest Data 等、「機能が有効になっているグループに所属している SIM × 費用」となっているサービスにおいては、「機能を OFF にする」することで費用の発生を抑えることができます。またもう1つの方法として「グループに所属している SIM の数を減らす(= 解除する)」事でも費用を抑える事ができます。
また、SORACOM Funk はリクエスト発生時毎の従量課金となっているため、作成したグループ内の設定が SORACOM Funk のみとなっていれば、リクエストが発生しなければ費用は発生しません。
グループ解除の方法はグループからの解除 (JP)をご覧ください。
SORACOM Harvest Data のデータ削除(任意)
SORACOM Harvest Data は基本的にはデータ保管料は無料※です。そのため、保存しておいても害はありませんが、デモ等で利用する際にはデータを綺麗にしておく必要が出てくるため、データ削除について解説します。
※発生から40日を超えたデータは削除されます。40日以上データを保管したい場合はデータ保持期間延長オプション利用料金をご利用ください。
SORACOM Harvest Data 画面 ([操作]>[データを確認]) のデータテーブルで、削除したいデータのチェックボックスを付けた後に[削除]をクリックします。表示されたダイアログで改めて[削除]をクリックすると、削除されます。
※ 複数のデータにチェックをつければ一括で削除可能です。

データの復元はできませんのでご注意ください。
SORACOM Lagoon の解約
SORACOM Lagoon はオンラインで解約が可能です。 Free プランであれば有効化しておいても費用は発生しませんが、長期に渡って利用しない場合には解約も選択いただけます。
解約の方法はSORACOM Lagoon の解約(JP)をご覧ください。
次のステップ
本レシピでは、BLEセンサーGWとFeasyBeaconを使った物品管理について解説しました。
RSSIはBLEセンサーGWとFeasyBeaconの距離によって変わるので、RSSIと距離の関係が取れればゲートウェイから半径何m以内にFeasyBeaconがあるという推定も理論上可能ですのでトライしてみてください。