SORACOM 導入事例:積水化学工業株式会社

温水器に再生可能エネルギーを活用 下水熱を利用するシステム
積水化学工業株式会社

IoT 導入の背景下水道に敷設した集熱器でエネルギーを回収して再利用

我々が日々廃棄している下水には多くの熱ポテンシャルがあり、それらはそのまま下水処理場へ流れていきます。

積水化学はこの下水熱源を再利用するためのソリューション「エスロヒート 下水熱」を提供しています。老朽化した下水道の更生工事と同時に集熱器を敷設し、エネルギーを回収、集めたエネルギーをヒートポンプを介して給湯に利用するという仕組みです。給湯以外にも空調、融雪にも利用されています。

2015年7月に施行された下水道法の改正により、民間事業者が熱交換設備を公共下水道に設置できるようになりました。法改正以降多くの引合いをいただきながら、本事業を推進しています。

IoT 導入の課題取得データを遠隔からリアルタイムに監視したい

下水熱利用設備はPLCで制御され、センシングされた温度、流量、電気量などの取得データは設備の制御部に蓄積しています。PLCはオンライン化されておらず、データを分析するには、現地を訪問しデータ回収する必要がありました。オンラインでデータを取得できれば、リアルタイムで分析や改善することが可能です。全国から引き合いをいただくにつれ、これらのニーズはさらに必要性を増していきました。

しかし、この設備は、下水道を通じて屋外や建物の屋上などネットワークが敷設されていない場所に置かれることが多いものです。そのためオンライン化し、リアルタイムに情報収集・分析するためには、ネットワーク敷設にかかる初期費用が課題でした。

SORACOM を採用した理由IoT向け料金体系とシステム開発に便利なサービス

屋外でもすぐ使えることからセルラー通信を検討する中でSORACOMを知りました。その契約の簡単さと、1枚から調達可能である点、IoT向けで従量課金のため少量のデータ送信は安価に抑えられる点は、私達の設備に必要な通信の条件を満たしていました。

設備はオンライン化を想定せずに開発したため、PLCに適切な出力端子がありません。そこでSDカードスロットに、Wi-Fi通信機能付きSDカードの「TOSHIBA Flash Air」を利用し、SORACOM Airの挿さっている通信ゲートウェイにデータ連携しています。

SORACOM Beamの暗号化の機能も活用しています。設備からのデータはhttpで送り、SORACOM上でhttpsに暗号化し、データの分析サーバーに送信しています。SORACOM Beamを利用することで、httpsで送信すると大きくなりがちなデータ量を少なく抑えることができました。さらにSORACOM Beamの署名ヘッダ付与機能も活用しています。ブラウザからの操作で、デバイスからSORACOMを通じて送信されるデータに署名を付与することができる機能で、手軽にデータの偽装・詐称対策を実現できています。

システム構成図

システム構成図

導入の効果IoT活用で、全国の装置の遠隔モニタリングを実現

現在は宮城県仙台市の商業施設でご利用頂いています。他にも引き合いをいただきますが、距離という物理的な制約を理由に、お客様へのサービスに制限を掛けたくありません。セルラー通信でつなぐことができれば、私達のいる滋賀県の拠点でも全国に配置された設備の様子を知ることができます。

私達のコアテクノロジーは、下水熱の再利用のためのシステム開発です。今回のソリューション構築にあたり、私達の専門分野ではないIoTシステム周りは、SORACOMのプラットフォームサービスを組み合わせてスピーディにシステム構築できました。設備のデータを収集し、ビジネスに展開するために、必要なサービスがSORACOMには用意されていました。

IoT関連テクノロジーの進化を目の当たりにし、便利さをビジネスに活用できたと感じています。

今後の展開についてモニタリングデータを活かし、装置提供から改善提案へ

エネルギーの使い方提案などにも展開していく予定です。私達の下水熱エネルギー活用ソリューションは、地域の電力会社やエネルギー事業会社がお客様への提案の選択肢の一つとして下さるケースもあります。得られたデータを用いた利用シミュレーションを通じて「24時間利用可能な下水熱の特性を活かし、再生可能エネルギーを効率的に利用する」といったお客様へのご提案も可能になります。設備を売るだけではなく、ソリューション事業やコンサルティング事業まで幅広いお客様への提案に関われると感じています。

私は半導体や液晶の生産設備設計に従事していたこともあるのですが、各工場のライン装置もデータは集約されておらず、装置の中に蓄積されるケースもあります。こういったテクノロジーは、ライン設計でも便利に活用できるのではないかと感じました。

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社
環境・ライフラインカンパニー 総合研究所 エンジニアリングセンター
更生管グループ 課長 井上 将男氏
https://www.sekisui.co.jp/

【協力パートナー】
センチュリー・システムズ株式会社
https://soracom.jp/support_partners/device/centurysystems/

【利用したデバイス】
FutureNet MA-E350/NL(センチュリー・システムズ株式会社)
https://soracom.jp/support_partners/certified_device/MA-E350/

利用したサービス

SORACOM Air for セルラー
SORACOM Beam

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