SORACOM 導入事例:Nectar,Inc

IoTとAIで、養蜂場のミツバチをリモート管理 
センサーで蜂群の状況や行動をデジタルデータ化
Nectar,Inc

IoT 導入の背景 次世代の都市型養蜂家を手助けするスマート養蜂システム

Nectarは、カナダ・モントリオールを拠点に活動する工業デザイナー兼養蜂家のロベルジュ氏によって2015年に設立された企業です。当初、ロベルジュ氏の長年の経験をサービスとして展開することで、増えつつある次世代の都市型養蜂家を手助けをすることを目指していました。そして、このプロジェクトを推進する過程で、Nectarは養蜂業者にセンサーを含む専用ハードウェアと、AIを活用した高度なアナリティクスの提供まで、養蜂家が必要とするシステム一式を提供するようになりました。現在では、Nectarは、インターネットに繋がる1,500以上の巣箱を管理しており、IoTを活用することで、蜂群を健康に保ち、飼育コストを削減し、各巣箱の生産力を高める手助けをしています。

現在、アメリカとカナダで1,500万匹を超えるミツバチをつないでいるNectarは、北米のみならず世界中で問題となっているミツバチの大量死という課題に対処することを目標としています。

IoT 導入の課題 農作物の受粉をも助けるミツバチの繁殖を効果的に行う方法

ミツバチが生み出すのはハチミツだけではありません。実は、全世界の農作物の3分の1近くが受粉をミツバチに頼っており、ミツバチは全世界の食物供給の重要な貢献者となっています。受粉した農作物全体の価値は、金額にして2,000億ドルにも上ると言われており、ミツバチは世界経済にも強い影響力を持ちます。しかし、この20年間もの間、北米とヨーロッパでは働き蜂の大量死という問題が起きています。

その原因として考えられるものは、殺虫剤、寄生虫、気候変動、さらには電磁放射線まで多岐にわたります。これらの影響をいち早く察知し対処するため、Nectarは、先進的なセンサーシステムとAIを活用した高度なアナリティクスを用いています。変化の兆候をいち早く察知することで、養蜂家が蜂群を守り、その繁殖を助けるための具体的なアクションを取ることができます。

SORACOM が選ばれた理由 マルチキャリアなセルラー通信で、広大な土地での移動をカバー

一般的なミツバチの蜂群の採餌範囲は、半径3〜5キロにおよびます。アメリカやカナダでは1つの養蜂場で数千個の巣箱を管理する大規模養蜂場も多く、蜂群間の争いを防ぐことを考えると、養蜂場の「実質的な広さ」が数千平方キロにおよぶと考えられます。

このようなケースの場合、巣箱は有線インフラが存在しないような人里離れた田舎に設置されることが多く、受粉の季節になるとトラックで別の場所に運ばれることもよくあります。広いエリアのカバレッジと、巣箱を移動させた場合も途切れなくつながるという点から、セルラー通信を採用しました。

SORACOMのマルチキャリア対応のSIMは、Nectarが必要としている広大なカバレッジに最適でした。また、Nectarはサービスを北米以外の地域にも広げているため、SORACOM IoT SIMを利用すれば、新しい地域や国に展開する際も、通信キャリアと新たな条件交渉をする必要もありません。SORACOM IoT SIMが1つあれば、世界中で利用できます。

システム構成図

Nectar,Inc

導入の効果 センサーデータから見えてくる蜂群の活動

Nectarは養蜂業者に、専用のハードウェアからアプリケーションまで必要なもの一式を提供します。蜂群管理システム専用のワイヤレスビーコンは、温度、湿度、蜂の動静、さらには可聴周波数などのリアルタイムデータを飼育中の巣箱から収集します。複数の巣箱から得られたデータは、監視や分析を行うために、専用の太陽光発電のワイヤレスビーハブ(BeeHub)経由でクラウドに送信されます。

専用のセンサーと養蜂家によって開発された独自の分析により、Nectarユーザーは飼育中の蜂群の状況や健康状態を詳しく知ることができます。養蜂家は得られた情報をもとに、巣箱内の蜂蜜の量や収穫に適した時期、女王蜂の突然の失踪など、ミツバチの活動を絶えず把握することができます。また、害虫を駆除する、蜂による新たな巣作り行動を阻止する、季節の移り変わりの中で巣箱を理想的な温度湿度状態に保つといった具体的なアクションのために、これらのデータを活用することもできます。

今後の展開について 養蜂ビジネス全体をサポートできるようサービスを進化させる

Nectarの専用ハードウェアは、実に多様な養蜂データを収集しています。しかし、そのデータの活用方法は、養蜂家によってさまざまです。農作物への受粉サービスの品質向上に重点的に取り組んでいるところもあれば、蜂蜜の製造や蜂群の増殖に力を入れているところもあります。このような目的にあわせて、Nectarの既存のサービスに加えて、それぞれの養蜂の目的に合わせた大幅な調整を実現すべくハードウェアの改善を計画しています。

また、Nectarはセンサーデータに基づいて農作物への受粉品質をある一定量保証することで、養蜂家とミツバチによる受粉サービスを利用する栽培家との協力体制をさらに積極的に推進していきます。

Nectar Inc.
https://www.nectar.buzz/

利用したサービス

データ通信サービス SORACOM Air for セルラー plan01s

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