SORACOM 導入事例:JOHNAN株式会社

情報システムと事業部が一丸となり、4ヶ月で自社製品を IoT 化
工場に設置する装置の定期点検、フィルタ交換通知を実現
JOHNAN株式会社

IoT 導入の背景 日常点検をユーザーに依存していることで、フィルタの適切な交換サイクルがまわっていなかった

JOHNAN株式会社は、受託製造ソリューションを提供すると共に、その知見を活かしヘルスケア、環境改善を基軸とした JOHNAN 独自の製品/サービス開発にも意欲的に取り組むものづくりサービス企業です。

JOHNAN の主力商品のひとつドレン水処理装置「ドレントーレ」は、工場のエア・コンプレッサから排出されるドレン水を処理するための装置です。工場等ではこの装置を設置することで、法律で定められた水質基準を満たすことができます。

「ドレントーレ」は設置後、安全に運用していくために定期点検とフィルタ交換を要します。課題は、定期点検をユーザーに依存していることで、適切な交換サイクルがまわっていなかったことでした。

設置されるエア・コンプレッサ室は、夏場だと室内温度が 40 度以上を超えることもあり、ユーザーにとって定期点検するモチベーションの低い作業です。そして、交換時期に気づかず装置を放置しておくことでオーバーフローを起こしてしまうこともあり、事業として抜本的な改善を必要としていました。

IoT 導入の課題 最初にぶつかった壁は「セオリー(確立された方法)がない」こと

ドレン水処理装置のフィルタ交換時期を検知したいというアイディアは出たものの、データを収集するデバイスの開発には専門知識もなく、当初はパッケージ化された外部のサービスを探していました。しかし、投資対効果がわかりにくく、さらに専門特化した装置向けとなるとなかなか見合うサービスが見つかりませんでした。

そんな時、情報システム担当の広瀬氏は、SORACOMを利用したIoT のセンシング装置を開発するハンズオンを体験し、IoT への考え方を変えたと言います。

「IoT システムが低コストで素早く開発できることにに衝撃を受けました。IoT を推進していくうえでぶつかったのは「セオリー(確立された方法)がない」こと。そのため、仮説に基づいて、まずはプロトタイプを作ってしまい検証と改善を繰り返すしかない。まず「動くもの」を低コストで作ることで、実際に動くIoT システムで検証、関係者がアイデアを出し合いながら進めることができました。」(広瀬氏)

SORACOM が選ばれた理由 遠隔から装置を定期点検しフィルタの状況を見える化、交換時期のアラート通知を4ヶ月で実現

ドレン水処理装置のフィルタ交換時期を検知しデータ収集する部分は、SORACOM 認定済パートナーでもある株式会社KYOSO と共に試作開発を進めました。これにより、デバイスやクラウドまでのデータ処理や通信に関する経験不足を補い、システムを開発しました。

当初開発したシステムは、ソラコムが提供する Wio LTE という通信機能付マイコンデバイスと、浮きと浮きがある高さに達したことをマグネットセンサーで把握する仕組みでした。 SORACOM Harvest Data、SORACOM Lagoon を利用しデータ収集、ダッシュボード作成しています。さらに、SORACOM プラットフォームの Unified Endpoint という、データを複数の SORACOM サービスに連携できる機能を用いて、GCP(Google Cloud Platform)にも連携し、BigQuery にデータ蓄積しています。GSuite でスプレッドシートでもデータ集計・加工できるようにしています。

SORACOM のサービスを組み合わせることで、課題に対応する必要最低限の機能は、着想からわずか 4 ヶ月程度とスピーディな開発を実現しました。

導入の効果 電源不要で利用できる Sigfox を採用し、自社製品に対応したシンプルな仕様に変更

社内テスト環境での検証を経て、2019 年 4 月からパイロットユーザーを対象に現場で実証実験を開始しました。しかし、設置場所に電源がないケースが、予想以上に多くあることがわかってきました。電源問題の壁です。

フィルタ交換サイクルは 1 年から 3 年周期と長期に渡り、モバイルバッテリーでの代替が難しいため、省電力機器を検討し、最終的に SORACOM Air for Sigfox の通信と、オプテックス株式会社のドライコンタクトコンバーターを組み合わせたプロトタイプ 3 号機を開発しました。現在は状況の可視化とアラート通知を試験運用しています。

「いろいろ試作し複雑な技術が正義ではないと感じ、まずは現場ニーズに応じた必要最低限の機能を提供することにしました。ハードウェアを自社で開発せず、既製品を採用しました。作らず、無理に背伸びせず、組み合わせ技で早く展開していくということも推進のポイントだと思います。」(広瀬氏)

今後の展開について お客様には本来やるべき業務に集中いただき、安心して継続的にご利用いただける製品サービスにしていきたい

2019年7月、JOHNAN は、ICT 等の先端テクノロジーを活用し、「スマート社会」の実現を目指す中小企業の新たなサービス開発を支援する「スマート社会実装化促進事業補助金」の補助事業者として採択されました。

現状は課題に対応する必要最低限の機能(状態の見える化、通知)の提供ですが、将来的にはエア・コンプレッサメーカーが提供する IoT サービスとの連携や、蓄積したデータを活用をしてくことで、配送の自動化や需要予測などに取り組んでいく予定です。

IoT は、IT とは縁のなかった場所、人が行きたくない場所、モチベーションの低い作業や管理など、ユーザー視点を突き詰めていくと過酷な環境だからこそやる価値があるとこのプロジェクトを推進する覚悟を決めたと広瀬氏は話します。

「視点を変えて、課題を探し、自ら行動していけば新しい世界が切り開ける。IoT への取り組みは、諦めずにトライ&エラーをまわしていくことが大切だと思います。」

JOHNAN株式会社
経営企画本部 経営戦略部 ICT 推進課  課長
広瀬 圭一 氏

企業ウェブサイト:https://www.johnan.com/
製品ウェブサイト:ドレン水処理装置「ドレントーレ」

利用したサービス

データ通信サービス SORACOM Air for セルラー plan-D
省電力データ通信サービス SORACOM Air for Sigfox 
クラウドリソースアダプタ SORACOM Funnel および Unified Endpoint
データ収集・蓄積サービス SORACOM Harvestおよび Unified Endpoint
ダッシュボード作成・共有サービス SORACOM Lagoon

協業したパートナー
株式会社KYOSO

利用したデバイス
オプテックス株式会社 ドライコンタクトコンバーター

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