SORACOM 導入事例:ハローライト株式会社

電球を交換するだけですぐ利用できる
IoT電球が実現する高齢者宅の自然な見守りサービス
ハローライト株式会社

IoT 導入の背景 急増するひとり暮らし高齢者という社会課題への取り組み

現在、先進国を中心に高齢化は世界的な社会課題のひとつです。特に日本では人口の28.1%を65歳以上の高齢者が占めています(※出典:内閣府「令和元年版高齢社会白書」)。加えて、少子化や核家族化による単身高齢者世帯も増加しており、急病や転倒時の発見の遅れや孤独死などが危惧されています。現在、ひとり暮らしの高齢者に対しては、自治体や介護事業者等の民間事業者が声がけや定期訪問を行っていますが、人手不足で十分な見守りができていないのが現状です。

ハローライト株式会社のIoT電球「HelloLight」は、電球の点灯状況を使った高齢者の見守りサービスです。家庭で一般的に使われるE26口金のLED電球内に通信機能が組み込まれており、住宅の屋内照明の点灯状況をクラウドで管理し、生活のリズムに異常があった際に家族などへメールで通知します。トイレや廊下などの既存の電球を交換するだけで容易に導入でき、高齢者のプライバシーを守りつつ、自然な見守りを実現できます。

IoT 導入の課題 ネットワークの設置と通信コストが導入のネックに

2010年頃から、センサーやウェブカメラなどを用いた見守りサービスは出始めていましたが、実際にはなかなか導入が進みませんでした。その理由は、見慣れない装置が生活の中に入ってくることへの違和感、監視されているような不安感から高齢者に受け入れらなかったためです。

ハローライト代表取締役の鳥居氏は、暮らしの風景に溶け込む電球をIoT化して高齢者の見守りに使うことを発案。2015年から開発に着手し、同年6月に「IoT電球」の試作品を発表しました。しかし、製品化へ向けて取り組みを進めたところ、課題にぶつかりました。

一番の課題は、通信の部分です。当初は、電球にBluetoothを組み込み、別途設置した通信端末を介してインターネットへ接続する仕組みで、電球と通信端末の2つの機器が必要でした。そのぶんコストも高くなり、初期費用が数万円、月額の通信費も数千円になってしまいます。また、通信端末の初期設定や通信エラー時の訪問メンテナンスなどの手間もかかり、手軽に使えるとはいいがたいものでした。

SORACOM が選ばれた理由 SORACOM IoT SIMで電球と通信機能の一体化を実現

転機となったのは2018年10月。鳥居氏は、LTE-Mを用いたボタン型デバイス「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」をニュースで知り、これだけ小さいデバイスで使われる通信モジュールなら、電球の中にもSIMを組み込めるかもしれないと考えたと言います。

その2ヵ月後の12月には、LED電球の中にSORACOM IoT SIMを組み込んだ現在の「HelloLight」を発表し、クラウドファンディング「Makuake」で先行販売を開始。6ヵ月後に初出荷し、利用者からは「これならすぐ使える」「こういう製品を待っていた」といった声が届き、手応えを感じた鳥居氏は本格的に事業化を開始しました。Amazonでの販売も開始し、初出荷から1年で約5000個を出荷しました。

HelloLightは電球の初期費用と見守りサービスの月額利用料で提供されています。本格的な事業化にあたって、多くのIoT電球が出荷された後の管理方法も検討が必要でした。

SORACOMプラットフォームでは、ブラウザから閲覧できるユーザーコンソール内で、管理しているSIM通信状況の把握や、通信開始・休止等の操作をすることができます。これらの回線管理の機能はAPI経由でプログラムに組み込んで自動化することができます。これらに必要なAPIや開発茶向けのドキュメントは無償で公開されています。

「HelloLight」では、ユーザーの利用状況にあわせた通信の開始、休止、解約といった作業も、ユーザーコンソールやAPIを通じて回線を管理できるSORACOMを利用することで、自動化しています。

システム構成図

ハローライト株式会社

導入の効果 電球を交換するだけの簡単導入、高齢者向け賃貸住宅や終活ニーズに応える


「HelloLight」は、電球内に通信を内蔵したことで、外部の通信機器の設置が不要になりました。電球を取り付けてサービス利用を開始すれば、24時間ずっと点灯がない、といった異常が検知し登録した連絡先にレポートが送信されます。

2019年9月からはAmazonでの販売を開始し、累計約5000個が出荷されました。別居している高齢の親のために子世代が購入するだけでなく、アクティブシニアが「終活」の一環として、自分の状況を遠く離れた家族に知らせるために自身で購入するケースも増えています。

IoT電球を提供開始してから、新たなニーズに気づいたと鳥居氏は言います。
「不動産事業者からも多くの問い合わせがありました。賃貸住宅のオーナーにとって、高齢の入居者の転倒や急病は心配事のひとつです。住居の電球を「HelloLight」に交換するだけなら工事がいらず、本人のプライベートを守りながら自然な見守りが可能です。他にも介護施設や地域サポートなど、IoT電球とさまざまな企業との連携をすることで、もっと多くの用途でご活用いただけると感じました。」

今後の展開について 自治体や企業との提携で販路を拡大、海外進出も目指す

コロナ禍を受け、感染リスクの高い高齢者への直接の訪問を避けるべく、遠隔による見守りサービスの需要が高まりました。その中でさまざまな事業者との連携の輪が拡がっています。2020年4月には、東京都・日野市の単身高齢者等の見守りのモデル事業に採用されるなど、自治体との連携が進んでいます。

不動産、介護、家事サポートなどの事業者にとってIoT活用は未知の世界です。そこで、「IoT SELECTION connected with SORACOM」(https://iotselection.tcplats.com/)を通じて、法人向けに月額580円(税別)のサブスクリプション契約で、IoT電球を必要な期間、必要な台数ご利用いただける仕組みを開始しました。2020年6月には、地域の課題解決に取り組んでいるヤマト運輸のくらしのサポート事業「ネコサポステーション」との協業がはじまり、多摩地区で「HelloLight」を利用したサービスがスタートしています。

今後は、人感センサーとIoT電球を組み合わせることで倉庫や農業用ビニールハウスなどの防犯など、新たな活用シーンも広げていく予定です。

「IoT電球の構想は2015年からありました。試行錯誤しながら、その想いを形にする中で利用者や事業者の課題を知ることができました。そして、SORACOMの通信でより使いやすい完成形となりお手頃な価格でご提供が可能になりました。世の中には課題と認識されているものの、解決方法がまだ見えていない課題もたくさんあります。「HelloLight」の提供を通じて、事業とテクノロジー、課題とテクノロジーの架け橋になることで、社会課題の解決をサポートしていきたいと考えています。」(鳥居氏)

ハローライト株式会社
代表取締役社長
鳥居 暁氏
https://hellolight.jp/

利用したサービス

低消費電力データ通信 SORACOM Air for セルラー LTE-M
ブラウザからの操作で回線管理を実現 SORACOMユーザーコンソール
回線管理をAPIを通じてプログラムに組み込み  SORACOM API

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