SORACOM 導入事例:フジテック株式会社

現場と共にエレベーターの保守業務を進化させる!
情報システム部門から始まったIoT活用への挑戦
フジテック株式会社

IoT 導入の背景エレベータの保守メンテナンス業務をIoTで変えたい

フジテックは滋賀県に本社を構え、エレベータ・エスカレータの研究開発、製造から設置、保守・運用までをワンストップで提供する専業メーカーです。製造したエレベータ・エスカレータは、国内外のホテル、オフィス、マンションなどで利用されています。

安全性の確保が必要とされるインフラなので、定期的なメンテナンスが法律で義務付けられています。この業務は、長年現場主導で行われてきており、ITやデータの活用がまだ始まっていませんでした。

IoT 導入の課題世界中のエレベータを遠隔から把握したい

エレベータのメンテンナンス業務において、遠隔監視を実現したいという現場の声は、以前からありました。エレベータのIoT化について情報収集したところ、海外ではセルラー通信を利用してエレベータの遠隔監視を実現している事例がありました。

しかし、セルラー通信は利用国毎の契約が必要で、世界中に利用顧客を持つフジテックでは通信の契約が障壁でした。エレベータの製造時に通信機能を組み込んで、海外のお客様に納品する場合でも対応できる方法の検討を続け、SORACOMのサービスを知りました。

この出会いから、具体的なIoTシステムへの取り組みを開始しました。

SORACOM が選ばれた理由PoCからスタートし、本番環境でも円滑にIoT活用

IoTのシステムは業務システムのようにサーバーとアプリケーションだけで完結できず、通信やデバイスの複合的な知識が必要です。しかしこの取組みを開始したのは情報システム部門で、これらの知識には精通していませんでした。そこでエレベータの遠隔監視について具体的な検討を開始する前に、IoTに知見を持つパートナーのサポートを得て、比較的容易に始められるケースを通じて、IoTシステムを学ぶことにしました。

手始めに、エレベータの温湿度モニタリングに取り組みました。温度・湿度センサーからのデータを、SORACOM Airに対応した通信ゲートウェイを通じて、AWS上に構築したシステムにデータを送信して可視化するシンプルな構成のシステムです。ネットワークの敷設やサーバー準備の時間を必要としないため、約2週間でプロトタイプが完成しました。

プロトタイプを現場に設置した際に、エレベータの電圧や振動を遠隔監視したいという相談を受けました。そこで次に、電圧を監視するHIOKI製のメモリハイコーダーから電圧データを遠隔取得するシステム構築に着手しました。モノから得たデータのフォーマットを、インターネット経由で送信できるように変換する方法や、取得データが非常に多い場合の可視化方法など、開発の途中では様々な課題が発生しました。SPS認定済みインテグレーションパートナーの<株式会社KYOSO><のサポートを得て個別に解決して前進し>、最終的にシステムを完成させることができました。

IoTシステムへの知見を蓄え成長したチームは、海外のお客様向けに遠隔監視のサービスを提供するプロジェクトに着手します。今までのプラクティスは概念実証(PoC: Proof of Concept)とはいえ、環境は十分に本格導入時もそのまま利用できる構成でした。現在、海外のお客様向けにエレベータの稼働状況を遠隔で把握し、稼働データの分析による予防保全や、故障発生時の早期把握と対応に役立てています。

SORACOM Air for セルラーを利用することで、開発したシステムをすぐに現場に設置して使い始めることができます。小さく始め、動くモノを現場のエンジニアに見せることで、情報システム部門は現場と一体感を持って、IoT活用に向けた具体的な会話を始めることに効果的でした。

システム構成図

システム構成図

今後の展開について製造業がIoTで効果が得られる3つのケース

最後に、IoTが効果的だと感じるケースは3つあると考えています。まずデータを取得する場所と、データを見る場所が物理的に離れているケースです。海外や山間部などの遠隔地は、特にIoT活用の恩恵を受けるでしょう。次にデータの取得者とデータ閲覧者が異なるケースです。現場に依頼しなくてもデータが自動的に収集できるようになることは、分析にかかる時間を短縮し、新たなデータ活用の機会を生み出します。最後に、そもそもインターネットにつながっていないモノのデータを取得するケースです。例えばエレベータは個別にメンテナンス上必要なデータを持っていますが、データは統合管理されていません。データの蓄積により、AIや機械学習を用いた故障検知や予測だけでなく、エレベータが安全にインターネットに繋がることでお客様にさらなる安心感や利便性、新たな価値を提供できる可能性があります。

そしてIoTの活用に際して最も重要なことは、まず手を動かして始めてみることです。IoT技術の利用が簡単になっても、その技術を扱える人材はすぐには育ちません。まずは身近なところから、SORACOMやクラウドなどの新しい技術を使ってIoTシステムを組んでみることがIoT活用における近道だと考えています。

フジテック株式会社

フジテック株式会社
常務執行役員 情報システム部長 友岡 賢二氏
情報システム部 主事 小庵寺 良剛氏
https://www.fujitec.co.jp/

【協力パートナー】
株式会社KYOSO
https://soracom.jp/support_partners/integration/kyoso/

利用したサービス

SORACOM Air for セルラー plan01s
SORACOM Beam
SORACOM Funnel

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