SORACOM 導入事例:ダイキン工業株式会社

空調機器をIoTカメラで遠隔点検、清掃時期を自動判定
ビル管理会社の点検業務を効率化、働き方改革を目指す
ダイキン工業株式会社

IoT 導入の背景 ビルの空調機器の定期点検をIoTで省人化する取り組み

グローバル総合空調メーカーのダイキン工業は、「IoT、AI 技術を活用した空調ソリューション事業の加速」を掲げ、全社戦略として IoT 化に取り組んでいます。そんな中、自社ビルやテナントビルに取り付ける空調機器のアフターサポート部門には、ビル管理会社から「空調機器の定期点検の負担が増している」という声が届いていました。

空調機器内で排水の役割を担うドレンパン(受け皿)は、汚れや異物が排水部に詰まると水漏れや空調機の異常停止の原因となるため、おおよそ 1 ヶ月に 1 回、定期的な汚れ具合の目視点検や清掃が必要です。天井部にとりつけられる空調機器の内部にドレンパンがあるため、点検者は天井板をはずし、天井の裏側から空調機械の部品を分解して、ドレンパン部分を目視する必要があります。

この定期点検を、IoT 化することでビル管理会社の労力を減らせないかと考えました。

IoT 導入の課題 製品開発だけではなく、社内部署連携やプロセスづくりも重要

「既存製品の IoT 化を進める際には、製品開発はもちろん各部署と連携した開発のプロセス管理や運用設計、品質管理も手探りでした」(新海氏)

プロジェクト推進とお客様に提供するアプリケーション開発は空調機器設置後のアフターサービスを担当サービス本部が担当し、IoT 分野の技術支援として R&D を担当するテクノロジー・イノベーション・センター、そして実際に空調機器のハードウェア・ソフトウェアを製造する生産開発本部が役割分担し連携してプロジェクトを進めています。

IoT システムにはさまざまな専門性が必要となります。技術検証は R&D 部門が担当しましたが、3G/LTE 通信の専門家はいないところからのスタートでした。実際に数台のデバイスをクラウドとつなぎ、実際に動かして検証し、課題を洗い出し、解決策を試すといった PDCA のサイクルをまわしながら、よりよい構成を検討していきました。

SORACOM が選ばれた理由 SORACOM は、試しやすく、グローバルに使えて、AWSにすぐつながる

本プロジェクトでは、クラウド環境は AWS を利用することが決まっていました。当初、1 回線から入手可能、インターネット上で契約完了できるスピード感と、AWS 上のシステムと閉域網接続できるサービスがあった点から SORACOM に注目しました。

R&D 部門でクラウドと通信の技術検証を担当した稲葉氏は、2018 年夏に実施したフィールドテストを通じてある気づきがあったと言います。

「実際にソリューションとしてお客様に展開することを前提にシステム要件を再検討すると必要になる機能がいくつかありました。SORACOM は通信コネクティビティを提供するだけではなく、「回線管理」「機器 ID 管理」「ユーザーコンソールの利用権限管理」など自社で開発が必要だと思っていた機能があらかじめサービスとして用意されていました。」(稲葉氏)

その結果、短い開発期間でシステムは完成しました。

導入の効果 ビル管理会社の定期点検が変わる!遠隔点検で働き方改革を実現

※開発中の画面です

2019 年 10 月 1 日よりドレンパン遠隔点検サービス「Kirei ウォッチ」を提供開始します。本サービスは、空調機器内部に設置した定点カメラがドレンパンを自動で撮影し、同じく空調機器内部に設置された通信機器から SORACOM を通じてクラウドに画像を送信します。そして、クラウド側で独自のアルゴリズムによる画像解析で汚れ度合いを自動判定します。お客様は、パソコンやタブレット端末を通じて判定結果とあわせて清掃の推奨時期を把握できるようになっています。

これまで定期点検は、ビル・テナントの業務に支障のない時間帯での実施が求められるため、土日や早朝、深夜などの限られた時間の中で行う必要がありました。ある時期に複数のビル点検が集中するケースもあり、近年の人手不足を背景にビル管理会社の負担が増していました。さらにはビル・テナントにとっても点検日の調整などの手間がかかっていました。

このサービスを導入によりビル管理会社のドレンパンが遠隔点検できることは、これらの手間を大きく削減します。定期点検の省人化、さらには働き方改革につながる取り組みです。

今後の展開について 世界中の空調機器をインターネットにつなぎ新たな価値をお客様に提供したい

まずは、「Kirei ウォッチ」をお客様からのフィードバックも得ながらより使いやすいものに進化させていきます。加えて、空調機内部の通信機能を用いて、CO2 や温湿度などの空間環境データを収集しより過ごしやすい環境づくりをするような機能、そして遠隔点検のグローバル展開も視野に入れています。

ダイキン工業は、空調データをインターネットにつなぎサービスを提供する IoT 基盤「Daikin Global Platform」を構想しています。

「取得・活用してみたい空調機器関連のデータのアイディアはたくさんあります。今後もSORACOM でクイックに技術検証を重ねながら、AI などのテクノロジーも活用し、お客様に快適に空調機器をご利用いただくためのソリューションを検討していきます。」(稲葉氏)

ダイキン工業株式会社
サービス本部 企画部 営業企画担当課長 生島 肇氏
サービス本部 企画部 ITグループ 新海 匠氏
サービス本部 企画部 営業企画グループ 小林 亮太氏
テクノロジー イノベーションセンター 稲葉 芳尚氏(写真右から)

企業ウェブサイト:https://www.daikin.co.jp/

製品ウェブサイト:ドレンパン遠隔点検サービス『Kireiウォッチ(キレイウォッチ)』

利用したサービス

データ通信サービス SORACOM Air for セルラー Plan-01s LDV

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